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院長・スタッフブログ

大切な子どもたちを事故から守るために

2023.05.15

 こどもクリニックきじま 院長の貴島です。

5月13日未明より発熱があり、現在病気療養中でございます。
今朝より解熱しておりますが、念のために5月17日予約分まで日程変更または担当医師変更のお願いをさせていただいております。患者様におかれましてはご迷惑をお掛けいたしますことを心よりお詫び申し上げます。
なお20日(土)より外来診療に復帰する予定でございます。
(書道教室につきましては19日(金)から再開の予定です。)
よろしくお願いいたします。

さて本日は久々にブログを書かせていただきます。

「なかなか書かなかったくせに、病気で休んでいるこのタイミングで書くんか?」と思われるかもしれませんが、それくらい今日はお伝えしたいことがございますので、覚悟して書きます。笑
もしかしたら私が開院して以来、5年間かけて築き上げてきた「優しい院長」というイメージを粉々に砕くことになるかもしれませんし(すでに「怖い時もある」と気づいてしまっていた方もおられるとは思いますが。)、経営的にはこのようなブログを書くことは得策ではないかもしれませんが、それでも書きますので、できればここまで読んでしまわれた方は最後までお付き合いください。

すでにこれを皆様がお読みになられる頃は公式LINEにて「深夜の電話相談は中止」との連絡がきていると思います。
もともとは深夜帯(22時〜翌8時)にクレームの電話や嫌がらせの無言電話が増えてきたことが中止を考えるきっかけでしたが、決心したのはここ数日の医療相談を通して、もしかしたら私の偽善的行動により長い目で見た場合に親御さんに対して不利益を与えているかもしれないと感じたからです。

医師の目線では大したことがなくても、お父さん・お母さんにとっては一大事!!というのはよくあることだと思います。
だからこそどんな質問に対しても「そんなくだらない質問をするな」なんていう気持ちを持ったことは一度もありませんし、これからも絶対にありません。
かかりつけの患者様からの緊急の返事を必要としないメール相談/質問、深夜帯以外にいただいたお電話については今後も対応させていただきます。
しかし子どもを育てている間は「無事に成人になって自立するまで子どもを守る」という覚悟と緊張感が親には必要だと私は考えています。
その上であるお母さんの頭部外傷のご相談に対して私が返信したメールを紹介します。

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お母さんがご心配なのはよく分かります。

私も人の親ですから。

しかし、だからこそ今日は医師というより、親の先輩としてあえて厳しいことを言います。

「お子さんが頭を打った」と相談があったのは今回が初めてではありません。

4月22日夜のメールをもう一度ご覧ください。私はその時にどのようにメールをしていますか?

その時に全て頭部外傷において自宅で様子を見て良い条件はお伝えしていると思います。

そして私も自分の子どもが頭を打ったことが一度だけあります。

歯が折れ、心の底から親としてその事態が避けられなかったことを悔やみました。

周囲は「仕方がない」と言ってくれましたが、それでも私は自分をとても責めました。

子どもは常に命を落とす危険に晒されています。

だから親が必要なんです。

転落して頭の打ちどころが悪くて亡くなった子ども、車に乗せてたまたまチャイルドシートを正しく着用していなかったせいで大したことない交通事故で亡くなってしまった赤ちゃん、ほんの少し目を離した隙に浴槽で溺死していた子ども…

医師としてそんな子どもをたくさん見てきました。

さっきまで元気だったのに…って狂ったように親は泣き叫び、中には意識をなくして倒れ込み、救急室内で自殺を図ろうとした親もいます。

小児科医になってはじめて担当した早産の赤ちゃんは特にトラブルもなくすくすくと育っていましたが、上のお子さんが帰宅したと思ってほんの少しだけその場を離れた隙に(いつもなら絶対にそんなことする人でもないのに)、その子は座っていた椅子から転落してたまたま下にあったゴミ箱に頭がすっぽり入って抜けなくなり、窒息して亡くなりました。

「先生はいつも優しいから私の気持ちがわかるはず。お願い、私を殺してください。」って首を掴まれて、その当時、まだ小児科医になって間もなかった私は、本当に情けない限りですが、そのお母さんと一緒になって泣くだけで、何にもしてあげることはできませんでした。

今でも忘れることはできません。

ほとんどの子は頭を打っても大事に至ることはありませんが、それでもごく稀に命を落とす子もいます。

前回、頭を打ってからまだ1か月も経ちません。「心配で仕方ない」と深夜に訴えるくらいなら、なぜ二度と起きないように配慮しなかったんですか?

こんな短期間に同じようなことが二度も起きるものですか?

私は自分がこれまでしてきた無料相談は偽善だということが分かりました。

私はいつでも相談にのることによって、少しでも親御さんに安心してもらいたいと思い、これまでやってきたつもりでした。

しかしこの度は公式LINEに私が体調不良で休診していることもすでに流していますし、メールについても対応できないことはお知らせしています。

それでも

「救急病院に相談したら『救急車を呼べ』と言われたけど、救急車を呼んだら良いんですか?」

という意味不明な質問に答えることがお母さんのためになるのかな?と思ったら、それは私がやってきたことによって、むしろお母さんをダメにしてしまっていると私自身が猛省しました。

「救急車を呼べ」と言われても、救急車を呼べないのは、救急車を呼ぶほどの大事ではないかもしれないという気持ちが少しでもあるからですよね?

本当に心配で仕方がないのなら躊躇するものでしょうか?

そこでその状況を見てもいない私が「救急車を呼ぶほどではない」と言えば安心するのですか?

本当にそれで親として子どもを守ることになるんですか?

大変厳しいことを申し上げているのは分かっております。

もしお母様のご期待にそえていないのであれば、本当に申し訳なく思います。

緊急性のないご質問につきましてはこれまで同様に深夜帯以外の時間で対応いたしますが、緊急かもしれないとご自身で思われた時は救急車を呼んでください。

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このメールについては賛否両論分かれると思います。
きっとこのお母さんはこのメールを読んで傷つくだろうと思いましたし、これにより医師に質問をすることが怖くなってしまうかもしれないとも思いました。送った後もこの表現は誤解を招くかも・・とか、この考え方はもしかしたら少し違うかも・・とか考えたのも事実です。
私は比較的、白黒はっきり言う方だと思いますし、それを評価してくださる方もおられます。
しかし私がはっきり白黒つけるのはそれ相応の考察を重ねに重ねた上のことですし、それでもなお自分が絶対に正しいとまでは思えません。無責任なことも言えないと思っていますし、だからこそ親御さんと一緒に私も悩んでいます。
それでも私は「ちょっと子どもの医療について詳しい、近所の気軽に聞きやすいおっさん」になりたいと思っていますし、だからこそ出来るだけ患者さん家族との垣根も取り払う努力はしてきたつもりです。
今後もその姿勢に変わりはありません。
かかりつけの親御さんが悩んでいる時には一緒に解決策を考えたいし、子どもたちが成長していくのを一緒に喜びたいと思っています。時として喧嘩したり、価値観が合わずに距離をおくことがあったとしても、それでも「また気が向いたら遠慮なくいつでもいらっしゃい」という気持ちで拒絶はしません。
(プライベートでもそうですが、「来るもの拒まず、去るもの追わず」のスタンスなので。)

ただ「小児科医」という看板を掲げている以上、無責任なことは言えないので、場合によっては厳しいことも言うと思います。驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は診察室で子どもを叱ると決めていることが1つだけあります。
それは私の目の前で、子どもが親に対して暴言を吐いたり、叩いたりした時です。
普段は出来るだけ優しく、満面の笑顔で接するようにしていますが、その時だけ鬼になります。
なぜなら、親が子どもを守ろうとして注意をしても、子どもが親に対して敬意がなければ、その注意を聞き入れない可能性があると考えているからです。
私は四六時中そのお子さんと一緒にいることはできませんので、親御さんに守っていただけなければなりませんから、お子さんが親御さんに対して不適切な行動があった場合にはその子のために看過できないと思っています。
自立するまでは「親は親」で責任もあるわけですから、ある程度はしっかり子どもに対して威厳は必要であるとも思っていますので、私はそのように対応しています。
(もちろん親御さんによっては「余計なお世話」になるかもしれませんので、するなと言われれば、しません。)

メールの返信にも書きましたが、私は多くの悲惨な現実を目の当たりにしてきました。
特に「チャイルドシートさえしっかりつけていればこの子は死なずに済んだのに。」という子どもが今でも後を絶たないことは悔しくて仕方がありません。
みなさんだってニュースでいくつでも子どもに関する悲惨な事故などは目にしているはずです。

でも果たして「その悲劇が明日は自分たちの家族に起こるかもしれない」とどの程度の親御さんが真剣に受け止めておられるでしょうか。どこかで他人事で、自分たちにはそのような悲劇が起こるはずがないと思っていませんか?
しかしその根拠はどこにあるのでしょうか?はっきり断言します。

「絶対にありません。」

子どもが命を落とさずに済むための確実な方法も、残念ですがありません。
親ができることは、可能な限りそのリスクを減らしてあげることだけです。どんなに努力してもゼロにはできないリスクを親は背負っています。
親だって人間なんだからそんな常に完璧ではいられないことくらい、私も分かっています。
だから異物を誤飲して来ようが、頭を打とうが、私は日常の診療で親を責めることは絶対にしません。
ただただ「大事に至らなくて良かったね。」というその幸運を一緒に喜ぶだけです。
それはどんなに頑張っても、命というものは奪われる時はほんの一瞬で奪われるものであることを私が知っているからです。

もう一度言いますが、子どもを守ることができるとしたら、それは親だけです。
「先生に助けてもらった」と思ってくださっている親御さんがいらっしゃるのであれば、それは勘違いです。(ごめんなさい。笑)
助けたのでは私ではありません。親御さんの助けたいという思いにお子さんは助けられただけです。
「親御さんがどの医者にかかれば自分の子どもを守ることができるだろうか」を考えて、さまざまな情報をもとに私を選んでしまい(それが本当に正しかったかは別として)、たまたま私が結果を出せただけです。
開院して以降も私では力になれなかったことは山のようにあります。少しでもそれが減らせるように努力はしていますが、おそらくゼロにすることはできないとも思います。
でもきっと私では力になれなかった子たちもその親御さんが必死に助けたいと思った末に、どこかできっと救われているはずだと思っています。

私が「大丈夫」と言ったのに、大丈夫じゃなかったら、親御さんはもちろん私を責めるでしょう。
それで済むことならまだ良いです。でもきっと私を信じてしまった自分自身のことをもっと責めると思います。だからこそ私は

「私も私でできる範囲内で一生懸命頑張りますから、お父さん・お母さんも宜しくお願いしますね!頼みますよ!!」

という気持ちです。
私がここで長々述べた考えに誰しもが賛同するとは思っていません。中には私に対する「いつも笑顔で優しい」というイメージが壊れてしまい、ガッカリした方もおられるかもしれません。もしそういう方がいらっしゃったら、ごめんなさい。
実はそうでもないです。笑

でも私は私なりの信念のもと、最大限に患者様に対して配慮はしつつも、さすがにこれはダメと思った時には「言うべきこと言うべき」だという考えに変わりはありません。
自分の信念を曲げ、偽りの姿を晒して、ついてきて頂いても責任は取れませんし、私自身もそれではやりがいが持てなくなってしまいます。
私は自分が全うしていきたい使命に優先順位をつけて、物理的に可能は範囲でこれからも皆様のために頑張っていきたいと思います。もちろん私も一人の親、一人の人間ですから、自分自身の人生も大切にしていきたいと思います。
そうでなければ長く続けていくことはできませんし、できることなら私をかかりつけ医としてくださっている親御さんの孫も、欲を言えばひ孫くらいまで見届けさせていただきたいと思っております。

タイトルから期待していたお話とは全く違ったお話になっていると思われるかもしれませんが、これが私の「守る方法」です。
偉そうなことを言いつつ、時々こうして体調を崩してしまったりするダメな医者ですが、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

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