こんにちは。院長の貴島です。
先週ぐらいから溶連菌とRSウイルスの患者さんがとても多いです。
特に溶連菌は見事にお父さん、お母さんたちももらってしまい、ダウンされておられる方もいます。
溶連菌は正確には溶血連鎖球菌といって、飛沫感染します。
症状としては発熱、のどの痛みが主で、舌が赤くブツブツになったり、唇が赤くなったりすることもあります。
しっかり抗生剤を飲まないと、合併症として腎炎を起こしたりするので、当院でも溶連菌感染症と診断した子どもの患者さんは2〜3週間後に血尿などの所見がないか尿検査をするようにしています。
RSウイルスは新生児と乳児では細気管支炎や肺炎を引き起こすことがあるウイルスです。
(2歳以上の子供がかかってもただの「風邪」で重症化はあまりしません。)
症状は発熱、喘鳴(ゼーゼー)が主です。
通常は冬に流行するのですが、最近では地球温暖化の影響か必ずしもそうではなくなってきました。
治療は対症療法ですが、乳児喘息の発症リスクをあげると言われているので予防的な治療を早めにすることも多いです。
RSウイルスは新生児や基礎疾患のある子どもは重症化することがあるので入院になることもあります。これがなかなか難しいところなのですが、入院適応については「地域性」があるんですよね。
私がこれまで勤務していた病院はいろいろな地方にまたがるので、その地域なりの暗黙のルールがありました。
「1歳未満のRSウイルスは全例入院」という地域もあれば、「6ヶ月未満」「3ヶ月未満で哺乳が弱い子」などなど様々あり、紹介する立場としてはなかなか悩ましいです。
生後1ヶ月に満たないRSウイルス感染症の子どもを入院目的で紹介しようとしたら「哺乳がしっかりできていれば自宅安静で良い」と断られたこともありました。
さすがにそれには同意できなかったので他の病院に紹介しましたが。苦笑
(案の定、その子は夜になって呼吸状態が悪くなり、人工呼吸管理をされていました。その後はしっかり退院されたと元気な顔を見せに来てくれました。)
私は基本的なスタンスとしてはできる限り「自分の病院で抱え込まない」ことにしています。
大きな病院に行った方が良さそうかなと感じた時にはすぐに紹介しています。
それを良いとされるか、悪いとされるかは人それぞれだと思うのですが、患者さんとしっかり話し合って一番良い方法を選ぶことが開業医としては大切なことだと考えています。
長くなってしまいました。笑
ブログを読んでいる皆様が健康でいられますように祈りつつ、そろそろ予約の患者さんが来る時間なので診療に戻ります。