こんにちは、こどもクリニックきじま 救急救命士の豊田です。
外出する機会もこれから多くなっていく季節ということで、今回は日焼け止めの重要性について書かせていただきます。
みなさん、お子様にも日焼け止めを塗っていますか?
日焼けは、シミやくすみの原因となるのはご存知の方も多いと思います。
お子様は、大人より非常に肌が弱いため、大人と同じ日焼けでもお子様の方が影響を受けやすいです。
〇日焼けの影響〇
日焼けは、太陽から出ている“紫外線”によって起こります。その紫外線が肌に吸収されると、“メラニン細胞”という細胞が日焼けの元になる“メラニン色素”を作ることで、肌の色が赤くなったのち、茶色くなります(色素沈着)。これが日焼けの流れです。
紫外線には①UV-A、②UV-B、③UV-Cの3種類があります。
① UV-A:シワやたるみの原因となります。
② UV-B:シミや白内障、皮膚がん、免疫力低下の原因となります。
③ UV-C:オゾン層によって吸収されるため、地上には到達しません。
適切な対策をせず、屋外でのプールや外での遊びを長時間していると、気づかないうちに日焼けをしています。ひどい場合にはヤケドを起こすことがあり、脱水やむくみ、水ぶくれが生じます。初期対応としては、15分程度冷やすことが大切です。これらのことから、子どものときから適切な紫外線対策を行うことは、美容目的だけでなく、健康的な肌を保つためにも大切なことです。
〇日焼け止め〇
・日焼け止めの強さを表す「SPF」の数値が高いほど良いというわけではありません。肌への負担にもつながるため、むやみに高いものを使う必要はありません。SPF15以上であれば日常生活の紫外線対策としては十分とされています。1)
ただし、塗り方が大切です。たっぷりとムラなく塗りましょう。顔ばかりだけでなく、ほかの部分の塗り忘れに注意してください。
☆塗り忘れしやすい箇所(首、耳、胸元、背中、腕や手の甲など)☆
・朝塗れば、その効果が1日中続くわけではありません。時間とともに効果が弱くなったり、汗で流れたりするので、2~3時間おきくらいに塗り直しをすることが効果的とされています。2)
・塗った日焼け止めは、お風呂の際にしっかり流しましょう。日焼け止めが肌に残ったままだと、肌の炎症を起こす原因となります。
☆お子様に適した日焼け止めの例☆
①“SPF15以上”、“PA++”から“PA+++”が目安。
※PAとは、UV-A(黒くなる日焼けと皮膚の老化など)の防止効果を示します。+の数で防止効果の強さを表します。
②“無香料”、“無着色”の表示があるもの(香料、着色料などは肌への負担となります)。
③プールでは「耐水性」または「ウォータープルーフ」の表示があるもの。
〇日焼け止め以外の対策〇
・外出時は紫外線が強い時間帯(10時~14時)を避ける。
・つばの長い帽子(7㎝程度)をかぶる、七分袖や襟付きの服を着る。
曇りの日でも、晴れの日の約80%の紫外線が出ているので日焼け止めはもちろん、他の紫外線対策も併用することをおすすめいたします。
※初めて日焼け止めを使用する場合、肌に合わない可能性がある為、少量を腕などで試してからお使い下さい。
これらの対策を参考にしていただき、大切なお子様を紫外線から守ってあげてください。
1)日本臨床皮膚科学会・日本小児皮膚科学会. 保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策について
2)大正製薬.日焼け止めって絶対必要?: https://brand.taisho.co.jp/coppertone/special/