本院

乳児脂漏性湿疹について

2020.09.10

~乳児脂漏性湿疹について~

こんにちは、救急救命士の田中です。

9月に入り、夜間・早朝は少し秋を感じる季節になってきましたがまだまだ暑い日が続く毎日ですね。

今期の夏も「汗疹」「とびひ」「水いぼ」など…様々な皮膚に関するトラブルで来院された患者様を見受けられました。

本日は、およそ3人に1人は発症するとも言われている「乳児脂漏性湿疹」についてお話しさせて頂きたいと思います。

乳児脂漏性湿疹とは生後2~3ヶ月頃に皮脂が過剰に分泌されることによって起こる皮膚炎のことです。

原因はアレルギーや生活環境の影響ではなく、皮脂の過剰分泌です。

また、皮脂を好む常在菌「マラセチア」という真菌の繁殖も影響すると言われています。

生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんのホルモンの影響を受けているので、皮脂がたくさん分泌されます。

さらに毛穴が未発達のため詰まりやすくなっており、たくさん分泌された皮脂が毛穴に詰まり乳児脂漏性湿疹になります。

皮脂は肌を乾燥から守る役割をしていますが、多すぎるとトラブルになります。

額や頭部、首周囲、耳の周辺、股部、脇の下など皮脂線の多い場所にできやすく、湿疹はカサカサしたものから、ジュクジュクしたもの、かさぶたが付着するものなど様々です。

乳児脂漏性湿疹は乳児期によく見られる一過性のものなので、正しくスキンケアすれば、それだけで改善することもあります。

しかし、症状がひどい時は病院に受診して頂き治療が必要になってきます。

保湿剤を中心に外用していきますが、炎症が強い場合はステロイド外用薬を使用し真菌の繁殖も考えられる場合には抗真菌薬を使用する場合もあります。

赤みを帯びた湿疹が広範囲に出る、痒みを伴い範囲が広がる、膿が出てきているなどの症状がある場合は細菌感染を伴う場合もある為、早急に受診して頂くことをお勧めします。

日常で行なって頂ける「スキンケア」の方法として最も重要なポイントは…??

①肌を清潔に保つための洗浄

↪︎泡立てた洗浄材を指の腹を使って頭部、顔も含め体・手・足のシワの部分はしっかり伸ばし揉むようにして優しく洗います。

洗い流す際は、洗浄成分と汚れをしっかり落とすように水の圧を使ってしっかり洗い流します。

②肌に潤いを与えるための保湿

↪︎1日2回朝・お風呂上がり5分以内の保湿が大切です。

皮膚に対して擦り込まず、塗った後にティッシュがひっつくぐらい塗布して頂く事が大切です。

日常のスキンケアを大切にし、皮膚の健康を保つことで食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の予防にも繋がります。

お子様の皮膚のトラブルにとって何よりも大切なポイントは日常の「スキンケア」になります。

当院では医療スタッフによる個別のスキンケア相談をお受け致しております。

是非お気軽にご相談下さい‼︎

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